最近では、いびきに悩み、医療機関を受診する人も増えています。
いびきには、問題のない一時的ないびきと、放置すると命に関わる可能性もあるいびきがあります。
今回は、いびきの種類といびきに関連する病気についてまとめました。
いびきの原因と隠れている病気
普段はいびきをかかない人が、いつもより体が疲れた時やアルコールを飲んだ時に一時的にいびきをかくことがあります。
これは散発性のいびきなので特に心配することはありません。
一方で、寝ている間に常にいびきをかいている人の場合は、習慣性いびきと呼ばれるものになります。
習慣性いびきには、「単純いびき」と「睡眠時無呼吸症候群に伴って起きるいびき」があり、睡眠時無呼吸症候群の場合には、睡眠中の呼吸量の低下や寝ているのに脳が十分に休めていない状態が認められます。
放置しておくとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
睡眠時に呼吸量の低下が見られないいびきにも、治療を必要とする病気かも
- 鼻の真ん中の仕切りが曲がっている「鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」
- 鼻の粘膜が長期間に亘る炎症で厚くなっている「肥厚性鼻炎(ひこうせいびえん)」
- 鼻の炎症により粘膜がポリープ状になっている「鼻茸(はなたけ)症」
- 副鼻腔に感染を起こすことにより膿が溜まっている「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」
- 扁桃腺が炎症によって腫れている「習慣性扁桃炎」
- 喉の奥にあるアデノイドと呼ばれる部分がうまれつき大きい「アデノイド肥大」
などが挙げられます。
これらの治療は耳鼻科が専門で、手術や内服薬によって改善する可能性があります。
しかし、放置すると睡眠時無呼吸症候群の原因になることもあるので注意が必要です。
もしかすると睡眠時無呼吸症候群かも
日本国内の睡眠時無呼吸症候群の患者数は、治療が必要な重症の方に限定しても約300万人以上といわれています。
しかし、治療を受けているのは20万人程度で、多くの場合、放置されていると考えられています。
2003年に起きた新幹線の運転士による居眠り事故は、睡眠時無呼吸症候群が原因です。
睡眠時無呼吸症候群は、日中の強い眠気だけでなく、高血圧や糖尿病、心筋梗塞や狭心症などの心臓病や、脳梗塞などの脳卒中を合併することも多く、重症の場合には死亡率を約4倍に上昇させます。
睡眠時無呼吸症候群の自覚症状とは
医学的に「気道を通る空気の流れが10秒以上止まった状態」を無呼吸と定義し、無呼吸が「一晩で30回以上」もしくは「1時間あたり5回以上」あることで『睡眠時無呼吸症候群』と診断されます。
寝ている間に頻回に呼吸停止が起こっているので、体の中、特に脳の酸素が足りない状態になり、寝ている間や日中にさまざまな症状を引き起こします。
寝ている間には、いびきの停止後に大きな呼吸と共にいびきが再開し、
- 呼吸の停止息苦しい
- むせる
- 何度も目が覚める
- 寝汗をかく
などの症状が出ます。
自分では判断が難しく、家族に指摘されることが多いかもしれません。
日中には、集中力の低下、頭痛、強い眠気、倦怠感などの症状を自覚します。
いびきが気になったら…
いびきの中には、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす睡眠時無呼吸症候群が含まれています。
たかがいびきと思わずに、いびきが続いているようであれば一度病院を受診するのも健康管理の1つとして良い方法かもしれません。
いびきを専門に診る診療科は、耳鼻科、内科、呼吸器内科ですが、最近では、いびき外来という専門の科がある病院もあります。
受診をする前にインターネットや電話などで、睡眠時無呼吸症候群の場合にも対応してもらえるかどうか確認すると良いでしょう。
また、簡単に使用できるいびき防止グッズなどもあるので、自分にあったグッズを探してみるのもいいかもしれません。
まとめ
いびきの種類には、ストレスや飲酒などの影響で起こる散発性いびきと、寝ている時にいつも起こる習慣性いびきがあることがわかりました。
習慣性いびきの中には、睡眠時無呼吸症候群という病気が隠れていることもあります。
家族にいびきを指摘された、もしくは思い当たる症状があるという方は早めに病院を受診してみてください。
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